誰がするものなのか?墓守の意味と仕事について徹底解説
- 2023年02月06日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お墓を継ぎ管理していく人の事を墓守と呼びますが、具体的に何をする人なのかを知っていますか?
何となく言葉としては聞いた事があっても、詳しい意味や仕事についてはあまり知らないという人も少なくはありません。
墓守はお墓を守っていくうえで必要な存在であり、誰にでも関係のある重要な事です。今回はそんな墓守の意味や仕事だけでなく、誰が墓守をやるのか、どうやって決めるのか、後継者がいない時はどうすれば良いかなどについてもまとめていきます。
目次
主な仕事の内容は何か?墓守とは一体何をする人なのかを解説
墓守とは文字通りお墓を守る役割があり、お墓を継ぐ人や管理する人が墓守と呼ばれています。
一般的な墓守の仕事内容は、お墓の管理、年中行事への参加、お墓の管理費の支払いなどです。
お墓の管理
お墓の管理の具体的な内容としては、年に数回のお墓参りやお墓の清掃などがあげられます。
もちろん墓守以外の人もお墓参りや清掃を行いますが、墓守として責任を持ってこれらに取り組む必要があります。
墓石は硬くて丈夫なイメージがありますが、雨や風などによって徐々に劣化していくのでメンテナンスする事が重要です。墓石の耐用年数は30年~50年とされていますが、しっかりと手入れをしておけば150年使用できるとも言われています。
こまめにメンテナンスし、劣化の原因となる埃や錆などの汚れを取り除く事が大切です。
お墓が遠方にあって年に数回はいけない場合でも、年に1回はお墓参りをして丁寧に清掃する事が役割となります。
年中行事への参加
お墓が寺院にある場合、お盆やお彼岸などの法要のほか、可能な限りお釈迦様の誕生日や宗祖や開祖に関するの記念法要など年中行事への参加を求められます。 その為、年中行事に合わせてお墓参りをする墓守も多いようです。
お墓の管理費の支払い
お墓を維持していくには費用がかかります。お墓の維持費用としての管理費の支払いも墓守の役割です。
管理費はお墓を利用する人たちが共同で使う水道設備のメンテナンスや備品の補充として使われるだけでなく、施設で発生する光熱費などの支払いにも充てられています。
選ぶときの決まりは?複数人でも良い?墓守は誰がやるものなのか
墓守は長男の役割だと考えている人も多いですが、決まりではありません。以前は長男がお墓を引き継ぎ墓守になる事が一般的でしたが、長男以外の人が墓守になる事も可能なので現在では親戚内で話し合って決める事が増えています。
ただし墓地によって墓守は男性でなくてはならないなど条件がある事もあるので、規約などがあるかは事前に確認しておくことが必要です。
また故人が遺言によって墓守となる人を指定する場合もありますが、この遺言は書面など正式な物ではなく口頭でも良いとされています。
墓守は民法では「祭祀承継者」となり、原則単独で承継します。ただし、実際の祭祀(法要、墓守など)をどのように執り行うか、費用は誰が負担するかについては、親族が話し合って決めるべき事項です。
お墓の管理費についても事前に話しましょう
墓守を決める時には費用についても親戚内で良く話し合う必要があります。墓守はお墓を管理していく人ですが、費用の負担まで1人で背負わなければいけない訳ではありません。
お金に関係する事は親族トラブルの原因となりやすいので、しっかりと話し合い事前に決めておくと良いです。
親戚内で均等に負担する方法もありますし、墓守となる人が管理費を支払う代わりに遺産を多く相続するなどの方法もあります。
故人を偲んでしっかりと供養していく為にも、できるだけトラブルを避けられるように事前にきちんと話し合っておきましょう。
知っておきたい!墓地・霊園の管理人を墓守と呼ぶこともある
お墓を継ぐ人以外にも、墓地や霊園の管理人の事を墓守と呼ぶ事もあります。管理人の役割はそれぞれの施設によって違いはありますが、お供え物の管理、墓地全体の清掃、法事・法要のときの埋葬などが基本的な仕事です。
お供えした食べ物やお花はそのままにしておくと腐ったり枯れたりするので、一定の周期でお供えしてある食べ物やお花を処分する事で、墓地の清潔さを保ってくれます。
また墓石や卒塔婆などの確認や整備も管理人の役割であり、修復が必要な破損などを発見した場合は遺族に報告し、石材業者に連絡をとるのも墓守の仕事です。
墓守の後継者がいないときに!どのように決めるのが正解なのか。
墓守に子供がいない場合など、後継者となる人がいないケースもあります。お墓の後継者がいない場合は墓じまいや、永代供養してもらう事で対処する事ができます。
今後は少子化・高齢化の影響もあり更に後継者がいない墓守が増えると予想されているので、永代供養についても理解しておくことが必要です。
永代供養とは、お墓参りできる人がいなくなっても永代に亘ってお寺や霊園に供養してもらう供養方法です。
ただし永代といっても未来永劫という訳ではなく、期間に定めがある場合や、将来的には合祀となる場合があります。
多くの場合は33回忌までで合祀となりますが、17回忌や50回忌という場合もあるようです。そのあたりの事情を理解した上で利用する必要があります。
合同墓(合祀)の場合は新しくお墓を建てるよりも費用が安くすみますし、宗派や宗旨に関係なく誰でも利用する事もできますので安心です。
墓守の大切な仕事の一つ!墓の清掃方法をおさらいしよう
お墓の清掃は墓守の大切な仕事になるので、基本的な清掃方法を知っておく必要があります。
まずは墓石を磨き、雨や風によってついた汚れを落としていきます。
スポンジ等に水を含ませ洗い、汚れがひどい場合など必要であれば洗剤を使って洗っていきます。
ただし、塩素系や酸性系の洗剤は墓石のシミや変色の原因となるので使用しない方が良いです。
苔が付いている場合は取り除きますが、たわしなどで強くこすると傷つく可能性があるので注意しましょう。
その後小皿や花瓶などを洗い、最後は乾いたタオルで拭いていきます。
歯ブラシやタオルなど、お墓参りセットとして用意しておくと持参しやすく便利です。
またお墓の清掃は墓石だけでなく、墓石周辺の清掃も含まれます。雑草や落ち葉などの清掃が必要な場合もあるので、その事も踏まえて掃除道具を用意しておきましょう。
墓守になったときに困らない!役割や意味について理解を深めよう
墓守はただお墓を継ぐだけでなく、管理していく事が重要な役割となります。事前に知っておく事で避けられるトラブルも多くあるので、墓守となった時に困らない為にも役割や意味についての理解を深めておく事が大切です。
お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
“誤った情報があるので、かならず本文の修正をしてからこちらのコメントをUPしてください 墓守とは、墓地使用権者のことになるのですが、その墓地使用権は祭祀承継者に帰属します。祭祀承継者は相続財産と異なり、きょうだいで一緒に相続することはできません。祭祀承継者は、そのお墓に誰を納骨するかを決めることができます。例えば、お墓の墓地使用権者が長男の場合、長男の承諾がなければ次男や長女がそのお墓に入ることができないということになります。”