[投稿日]2018年05月08日 [最終更新日]2018年05月08日
赤ちゃんを望んでいた方にとって、妊娠はとても嬉しいことです。しかし、残念ながら妊娠を継続することができず、流産や死産となってしまうことがあります。
とても悲しい出来事ですが、その時に家族が思うことは、お腹の中に宿ったものの、この世に生命を受けて生まれてくることができなかった赤ちゃんを供養したいということです。
こちらでは、供養の方法や金額についてご紹介しますので、ぜひ、お役立てください。
水子供養とは、この世に生を受けることができなかった胎児の冥福を祈ることを指します。ちなみに、水子供養の慣習は、日本独特のものとなります。
水子供養の「水子」は、流産や人工妊娠中絶によって亡くなってしまった胎児(たいじ)のことを指し、水子供養の「供養」は、亡くなった人の冥福(めいふく)を祈ることを指します。
なお、昔は、生まれてあまり日の経たない乳児や幼児期に亡くなった子供のことも「水子」と呼んでいましたが、現在は、母体の胎内にいるまだ出生していない子どものことを「水子」と言います。
水子は、亡くなった後、「水子地蔵」というお地蔵様の導びかれ、天に召されます。また、水子地蔵は、水子があの世(天国)で幸せに暮らせるようにお世話をしてくれます。
水子地蔵には種類があり、錫杖(しゃくじょう)を持っている水子地蔵は子どもたちを鬼から救ってくれる地蔵菩薩、合掌している水子地蔵は子どもたちの母親代わりの慈母地蔵尊、そして赤ちゃんを抱っこしている水子地蔵は子安地蔵とも呼ばれ、妊婦の安産を守ってくれる地蔵尊です。水子地蔵にお参りするということは、赤ちゃんに会いに行くということになるのです。
水子供養は、主にお寺で行ってくれます。しかし、お寺によっては檀家でないと引き受けてくれない場合がある上、どこのお寺でも水子供養を行ってくれる訳ではありません。事前に調べた上、供養の予約をしてから伺うようにしましょう。
なお、神社では死に対する捉え方の違いから、一般的に水子供養は執り行っていませんので気をつけましょう。また、仏教でも浄土真宗は水子供養を行っていませんので注意が必要です。
場合によっては、病院で紹介してくださることがあります。参考として、聞かれても良いでしょう。
供養の方法も様々です。ご家庭の方針に合った、供養の場所・方法を見つけましょう。
寺院に行き供養を行う方法です。
寺院での供養には、他の方と一緒に供養する合同供養と単体で供養を行う個別供養があります。供養内容も一回限りの供養と永代供養があります。
自宅で供養する方法です。
詳細は、以下の「自宅で水子供養を行うときの方法」をご参照ください。
いずれの場合も、ご遺骨の有る場合と無い場合では、供養の内容が異なる場合がありますので、事前に確認されることをお勧めします。
水子供養の供養料は、寺院から提示されることはありません。
「御布施(おふせ)」という形で寺院に納めることになります。納める金額は、供養の方法によって異なります。また、戒名を受けたり、卒塔婆をお願いする場合は、供養料とは別に戒名料や卒塔婆料が必要になります。
こちらでは、水子供養をお願いする場合のお布施についてご紹介します。
お布施の金額に決まりがなく、相場は3,000円〜30,000円と幅はとても広いですが、一般的には、一霊10,000円で納める方が多いようです。
水子供養のお布施を渡す場合も、現金をそのまま手渡すわけではありません。葬式や法要と同様、封筒に入れて渡します。
封筒の種類や表書きなどマナーについて、以下にまとめましたので参考にしてください。
封筒
表書き
使用ペン
お札の種類
水引き
袱紗(ふくさ)
お布施は、袱紗に包んで持っていくことをお勧めします
お布施を渡すタイミングは、供養の方法により異なります。こちらでは、実際に寺院に出向いて供養を行う場合の、お布施を渡すタイミングについて説明します。
(お布施を渡すタイミング)
●個別供養:僧侶に直接渡します
●合同供養:受付や係の方に渡します
水子供養に出向く際の服装や持ち物は、法要や法事の時と変わりません。
服装に関して、男性の場合は、黒もしくはグレーなどの落ち着いた色の上下のスーツ。女性の場合は、黒もしくはグレーのワンピースや上下のスーツをお勧めします。お子様の場合は、制服やグレーや濃紺など落ち着いた色の上下がお勧めします。
持ち物は、黒もしくは黒目のバッグにお布施、数珠、ハンカチを入れて持って行きましょう。
なお、水子供養にお子さまを連れて行く場合は、連れて行くことができるか、事前に寺院に確認をしておきましょう。寺院によっては、お子様の同席を控えてもらいたいと考えている場合があります。水子供養は、お子様を亡くした方がお見えになります。合同供養の場合は、特に気遣いが必要になります。
寺院での水子供養について説明してきましたが、実は、自宅でも水子供養を行うことができます。しかし、周囲の方に知られたくない、金銭的な問題や相手の方との関係の問題から自宅で供養を行うことを希望する方もいらっしゃいます。
こちらでは、自宅で水子供養を行う場合の方法についてご紹介します。
ネットの普及で、ネットで申し込んで、自宅にいながらにして自宅で供養の様子を見ながら供養をする方法です。供養金額は寺院で行う場合とあまり変わりませんが、移動する労力や時間がかかりません。
時間の無い方やご自分たちだけで供養をしたいと希望している方にお勧めです。
自宅に仏壇を置いて、赤ちゃんのエコーの写真やミルクなどのお供え物をすることで供養をしてあげることができます。お供えものは、赤ちゃんにあげたかった物や食べ物をあげても良いでしょう。
なお、遺骨がある場合は納骨をされる方も多くいらっしゃいます。小さくて可愛らしいミニ骨壷や水子供養専用の骨壷もあります。
また、お寺によっては戒名を頂き、位牌を作り、仏壇に安置することもできます。希望される場合は、ぜひ、相談してみましょう。
仏壇を準備するのは大変と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、水子供養用のミニ仏壇もあります。仏壇の準備を予定されている方は、ぜひ一度、仏具店に訪れてみてはいかがでしょうか。また、ネットでも探すことができます。外出が難しい方や時間が無い方にはお勧めです。
住宅事情や他の事情により、仏壇を置けないもしくは置きたくない場合があります。その場合は、無理に仏壇を準備する必要はありません。
小さいスペースを作り、亡くなられた赤ちゃんのエコー写真やお地蔵様、ぬいぐるみなどを置いて、手を合わせるだけで供養になります。
供養とは、気持ちの問題です。赤ちゃんが天国で幸せに暮らせるよう祈ってあげましょう。
寺院や自宅での供養方法の他にも、供養の方法があります。水子供養の方法に決まりはありませんので、ぜひ参考にしてください。
水子供養は、お願いする段階では、また悲しみの中にある方もいらっしゃることと思います。 しかし、供養は気持ちの整理をつけるきっかけとなり、赤ちゃんにとってもとても大切なことです。 供養の方法は、どのような供養をしてあげたいかで変わってきます。
亡くなった赤ちゃんを思う気持ちを表す方法に決まりはありません。赤ちゃんの幸せを願い、気持ちを込めて供養を行ってあげてください。
死産の赤ちゃんの供養、葬儀や火葬についてはこちらもご参考ください