[投稿日]2018年06月22日 [最終更新日]2019年01月09日
本来の寒中見舞いは、暑中見舞いと同じように季節の挨拶で用いられていました。
しかし、最近では喪中の方へ松の内(1月7日)があけてから立春(2月4日)までに送る、つまり節分(2月3日)までに届ける挨拶状としてや、喪中に関係なく年賀状を出しそびれた際の年始の挨拶状に用いられることが多くなりました。
この記事では「喪中の方へ」または「喪中の方から」の「寒中見舞い」について、はがきや切手、書き方のマナーや状況別の文例をご紹介します。
結婚や出産の報告もしていいの?といったQ&Aもご紹介します。
目次
寒中見舞いはもともと、暑中見舞いのような季節の挨拶でした。
しかし最近は「喪中の方への挨拶状」または「喪中の方が用いる挨拶状」として、喪中に関係する際に使われることが増えています。
つまり、新年の挨拶を控える喪中はがき(年賀欠礼状)を受け取った時の返礼や、喪中と知らず年賀状を出してしまった際のお詫び、喪中に年賀状を頂いたときの返事といった状況で寒中見舞いを利用します。
または「喪中かどうか関係なく」年賀状を出しそびれたときにも寒中見舞いを送ります。
寒中見舞いは季節の挨拶なのか、喪中に関するかどうかでマナーや文面が異なりますので注意が必要です。
寒中見舞いは松の内(1月7日)があけてから立春(2月4日)までに届くように投函しましょう。
立春(2月4日)前、つまり節分(2/3)までに届くのがよいとされますので、投函のタイミングは1月末までを目安としましょう。
この記事で紹介する「喪中に関係する寒中見舞い」は次の4つのシーンがあります。
喪中はがきを頂いたときに、必ずしも返事を出す必要はありません。
しかし年始の挨拶がわりとして寒中見舞いを出すと好印象です。
喪中はがきが届かなかったときに、知らずに年賀状を出してしまっても失礼にはあたりません。 ですが失礼をお詫びするとより丁寧です。 喪中と知ってしまい、失礼をお詫びしたい場合も「寒中見舞い」を使います。
年賀状を投函した後にご不幸があった場合には、年賀状が届くのは仕方のないこととします。
そのうえでご不幸をお伝えした方が良い方には、「寒中見舞い」という形で喪中であることをお伝えします。
喪中に年賀状を頂くときには、喪中はがきを出した相手からも届く場合があります。
喪中はがきは「喪中のため、こちらからの新年の挨拶を控えることをお伝えする」ことが目的ですので、喪中に年賀状を受け取ることには何も問題がありません。
より丁寧に対応する場合は「寒中見舞い」でご挨拶を返しましょう。
年賀状が喪中はがきを出していない相手から届いた場合は、喪中はがきを出していない旨をお詫びする言葉を含めた「寒中見舞い」を送ります。
喪中とは関係なく、もともとの季節の挨拶としての「寒中見舞い」、そして年賀状を出しそびれた場合の「寒中見舞い」の文例をご紹介します。
※季節の挨拶の場合には、句読点があってもかまいません。
寒中見舞いに使えるはがきは基本的に郵便局で購入できます。
切手部分が胡蝶蘭デザインの弔事に使える通常(官製)はがきを購入し、郵便局の印刷サービスにある「寒中見舞い」向けの定型文やイラスト入りのプリントを加えて、用意できます。
郵便局以外で購入できる寒中見舞い用のはがきは、年賀状ほど大々的ではないですがセブンイレブンやローソン、ファミリーマートといったコンビニエンスストアや文房具店、イオンなど大型スーパーなどでも販売されています。
寒中見舞いの印刷サービスはカメラのキタムラといった写真プリント店やエプソンやキャノンなどコピー機販売会社でもインターネット受付を行っています。
寒中見舞いに使う切手は2018年現在で、全国一律62円です。
寒中見舞い専用の切手というのはありませんので、私製はがきには62円のソメイヨシノの普通切手を用います。
62円切手には弔事用切手「花文様」もありますが、寒中見舞いの場合に弔事用切手はマナー違反とされます。
※ちなみに、弔事用切手「花文様」は喪中はがきには用います。
つまり喪中に関わる寒中見舞いには、通常(官製)はがきは弔事用でも使えるものが好ましいとされますが、私製はがきに貼る切手は、弔事用を使うのはマナー違反ということになります。
寒中見舞いには冬や早春らしいイラストを用いるのが一般的です。
年賀の挨拶とは異なるので、新年らしいデザインや干支などは使いません。
また喪中だからといって、弔事をイメージさせるイラストも避けたほうが良いといわれます。
喪中はがきとは目的が異なるためです。
無料でダウンロードして使える寒中見舞い向けデザインのテンプレートも郵便局、コンビニエンスストア、写真プリント店、コピー機販売会社、大型スーパーのWebサイトやその他のWebサイト上によくありますので、それらを利用すると便利です。
喪中に関わる寒中見舞いの場合には、「句読点は入れない」「行頭の一字下げはしない」「数字は漢数字で表記」する方が良いといわれます。
これらは喪中はがきのマナーのため、寒中見舞いでは句読点は入れてもよい、とする意見もありますが、配慮しておくと無難でしょう。
また、「拝啓」などの頭語、「敬具」などの結語は付けません。
新年の挨拶にあたる「賀詞」、つまり「謹賀新年」や「謹んで新年のお慶びを申し上げます」、「賀春」「おめでとうございます」といった言葉はマナー違反です。
縦書きが一般的で、表面と裏面は縦横揃えるのが基本なので宛名も縦書きとしましょう。
本文の後には差出日付(平成〇〇年〇月、と月までです)と、差出人住所、差出人氏名も裏面に記します。
※裏面に記載する場合、表面(宛名面)への住所氏名は不要です。
喪中の方からの寒中見舞いの中での結婚、出産といった祝い事の近況報告は、さらりと触れる程度であれば許容されるようです。
ただし「喪中の方へ」の祝い事の近況報告は相手へ配慮する必要がありますので、遅くなってかまいませんから暑中見舞いの時期や次の年賀状のタイミングでの報告とするのがマナーです。
喪中に関係する寒中見舞いの基本的な文例をご紹介します。
差出人住所
差出人氏名
喪中の方が年賀状などの新年の挨拶を控えたため、寒中見舞いで結婚や出産、引っ越しの近況報告をしたい場合は、さらりと伝えましょう。
添えるイメージで控えめにご報告します。
写真は載せない方がよいといわれますので、次の機会まで待つと良いです。
※喪中であることに触れないのがマナーという意見もあります。
お祝い事と弔事に関することを一枚に記さないということです。
次の結婚報告文例のように喪に関することに触れず(※を省略し)シンプルに報告してもよいでしょう。
※上述を参照。
喪中の方への、結婚報告や出産報告といったお祝い事の報告は遅くなってもかまわないので次の年賀状の時期まで待つ、といった対応がスマートです。
早めに知らせたい場合でも、夏まで待って暑中見舞いや出産報告はがき、結婚報告はがきでお知らせするようにしましょう。
引っ越して住所が変更になったことを知らせる場合にも暑中見舞いまで待ったり、寒中見舞いの本文では触れたりせず、差出人住所のところで「新住所」と書き加えるだけとしましょう。
お誘いするような文章は避けます。
A.お互いが喪中のとき、通常は「喪中はがき」のやり取りになります。
喪中はがきを先に受け取ったのなら、こちらからのはがきには一言、相手へのお悔やみの言葉を添えてもよいでしょう。
<一言例>
今年は残念なことにお互いに喪中となってしまいましたね
○○様のご冥福をお祈りしております
喪中はがきに加えて「寒中見舞い」を送っても問題はなく、より丁寧な印象です。
〈文例〉
寒中お見舞い申し上げます
寒さ厳しき折 今年はお互いに寂しいお正月となってしまいましたが
皆様にはお変わりございませんか
こちらは、家族一同ようやく落ち着きを取り戻してきたところでございます
厳寒の折から、皆様どうぞお体を大切にお過ごしください
A.年賀状のタイミング、つまり元日や年始に届くように「寒中見舞い」を出してはいけません。
その時期に挨拶状を届けたいのであれば、「年始状」にします。
「年始状」は「謹賀」「慶賀」などのお祝いの言葉を記さない、年始の挨拶状です。
この「年始状」は東日本大震災のあとから用いられることが多くなっています。
「年始状」には「近況報告の内容」を書いても問題ありません。
注意点は、「年始状」には普通のはがきを使うとされているので年始に届けたい場合は年末に投函すると良いでしょう。
A.喪中に関係した寒中見舞いでは、写真は載せないとされます。
季節のご挨拶としての寒中見舞いでも、一般的には家族写真は使わないようですが、使ってはいけないといった決まりはありませんので、出産報告などを兼ねて載せる方はいらっしゃいます。
A.「寒中見舞い」は年賀の挨拶とは異なりますので余っているからといって年賀状を使うのはマナー違反です。
喪中であるなしに関わらず、年賀はがきは用いません。
喪中に関係する寒中見舞いは書く機会が少ない上に、慶事よりもお互いに気をつかうため戸惑うことが多いかもしれません。
ここでははがきの選び方やデザインといった準備から、シーン別の文例まで多岐にご紹介しました。
ご自身の状況にあわせて参考にしていただければ幸いです。
別記事で喪中はがきのマナー、喪中はがきの文例をご紹介しております。