終活の不安にワンストップでサポートします
無料相談ダイヤル
24時間365日対応

神道のお葬式で故人を送る。神式葬儀・神葬祭の流れとマナー

神道のお葬式で故人を送る。神式葬儀・神葬祭の流れとマナー
  • 2023年02月01日
家族が余命宣告されたら。やるべき準備と心構え
家族が余命宣告されたら。やるべき準備と心構え
「余命宣告」の正しい意味や、家族が余命宣告されたときの心構え、するべき準備のことについてわかりやすくご紹介します。
詳細をみる

一般的に行われる葬儀のほとんどが仏教形式ですが、神道(しんとう)という宗教が基となる神式葬儀(神葬祭)という形式があるります。

日本では、神仏習合の考え方から、寺社双方が仏教と神道を融合していたり、日常では区別して考える機会も少ないと思います。 しかし、神式は仏式と葬儀の意味や流れも異なります。 神道での葬儀の流れを順を追って説明していきます。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

神道とは?

神道(しんとう)とは、日本古代から現代に続く民族宗教で、土着の宗教であり仏教が開かれるよりもはるか昔から日本に存在する宗教です。
神道は日本固有の宗教で、日本人の生活文化に浸透し、それでいて外来文化も受け入れて日本的に変容させるという特徴があり、日本国家の形成に影響を与えたとされている宗教です。

その原点は、古来の民間信仰(※1)と儀礼の複合体であり、アニミズムといわれる精霊信仰(※2)としての側面を持ち、動植物や昆虫、その他一般的に生命のないとされる山や川などの自然や自然現象、さらには岩や滝などにまでも、神や神聖なものとしての存在を認める宗教です。
また、神話に残る祖霊(先祖の霊)たる神、怨念を残して死んだ者などを敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教です。

※1 教義や教団組織などをもたず、地域共同体に機能する庶民信仰
※2 生物・無機物を問わず、全てのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方

宗教の名前の多くは、「〇〇教」という呼び方をしますが、神道の場合宗教名は神教ではありません。

神道は民間信仰が原点となっているため、特定の教祖・創始者が存在しません。
そのため、キリスト教の聖書やイスラム教のコーラン、仏教の経典にあたるような、公式に定められた「教典」なども存在しません。
しかし、代わりに「古事記」「日本書紀」「古語拾遺」「宣命」といった、「神典」と呼ばれる書物がいわば神道の聖典とされています。

神道の歴史

神道の起源は、何千年も前から自然発生的に誕生していたと考えられており、弥生時代には種蒔きと収穫の儀式を行うようになったとされています。
しかし、神道という言葉自体が生まれたのは6世紀に仏教が日本に入ってきた後のことで、従来の信仰に対し、新しい信仰である仏教と区別するために「神道」と名付けられたといわれています。

仏教が日本に入ってくると、それまでの神々を信仰する人々は強く反発し、戦が起きたそうです。
その後、仏教が国から正式に認められると、飛鳥・奈良時代以降の天皇や権力者の多くが仏教を信仰しました。
その影響で次第に「神道」は薄れましたが、仏教と共存していくかたちで信仰され続けました。

19世紀後半になると、神道は国家神道として再び広まりましたが、戦後は国家と分離されてしまいました。
それでも、日本人の日常生活や地域行事には神道に由来するものが多く残り、日本人の生活に根ざしています。

神道の死生観

神道は祖先を崇敬する信仰が基になっています。
氏族の始祖を氏神(うじがみ)として崇敬し、祖先を自分たちの守り神として崇敬します。
人は死後、家族や親族を見守る御霊となって、祖先である神々の仲間入りをすると考えられます。

祖先の神々のもとから生まれたものは、やがて一生を終えると、祖先の神々のもとへと帰っていくのだという考え方です。
これは霊魂の不滅、永遠の霊魂を意味するといえるでしょう。

そして日本人の御霊は、仏教でいう極楽浄土や、キリスト教でいう天国に行くのではありません。
我が家、我が郷土、我が国に留まって、祖先である神々と共に子孫の繁栄を見守り、子孫からのお祭りを受けるのです。

神道の葬儀(神式葬儀・神葬祭)とは?

神道の形式で行われる葬儀を、神式葬儀、または神葬祭(しんそうさい)といいます。
神葬祭は神社の神主が執り行います。

神葬祭の概念

仏式の葬儀・告別式にあたるものを、神式では「葬場祭」と呼びます。

神道では、故人はその家の守護神になると考えられているため、式は故人を神として祀るために行われます
葬場祭は通常、神社ではなく自宅か斎場に神主を招いて行いますが、神葬祭はそれほど一般的ではないため、葬儀社に相談してみましょう。

神葬祭の歴史

古事記や日本書紀などの記紀神話から、当時の葬法を知ることができますが、当時は神葬祭という形式的なものではないと思われます。
古事記や日本書紀などの古典にも神葬祭について記されています。

仏教伝来以降は、急速に仏式葬儀が普及していき、さらに寺請制度(※1)が実施されてからはその傾向はさらに強くなっていきました。

しかし、このような時世の中でも国学者らによる神葬祭の研究も次第に行われるようになり、神職とその嫡子に限ってのみ、神葬祭が許可されるようになりました。
そして明治時代になると、一般人も神葬祭が許可されるようになり、再び全国へ広まっていきました。

※ 江戸時代、キリスト教を排除する目的で「すべての人は寺院の檀家となり寺院から寺請証文を受け取ること」を強要した制度

神葬祭の流れ

神葬祭の一般的な流れは以下の通りです。

帰幽奉告(きゆほうこく)

神道では亡くなった場合、まず神棚や御霊舎(みたまや)に帰幽(亡くなったこと)を奉告します
神棚の前に白紙を下げ「神棚封じ」をします。
故人が息を引き取った部屋にはしめ縄を張ります。

枕直しの儀

神式の場合も仏式同様、臨終後は「死に水」「遺体の清め」「死化粧」をし、白の小袖を着せて北枕に寝かせます。(近年は、故人が生前に気に入っていた衣装を着せ、小袖は上から掛けることが多いようです。)

前面には祭壇を設け、玉串、榊、灯明、洗米、塩、水、お神酒、故人が生前好きだったものなどを供え「枕飾り」とします。
枕飾りができたら、遺族や近親者で故人を囲み、安らかに眠れるよう祈ります。

納棺の儀

遺体を棺に納める儀式で、棺に蓋をして白い布で覆った後、全員で拝礼します。
そして、棺を祭壇の前に安置します。

通夜祭、遷霊祭

通夜祭(つやさい)は、仏式でいう「通夜」にあたるものです
通夜祭は、「手水の儀(ちょうずのぎ)」を行ってから祭壇前に着席します。

喪主が一礼したあと全員が一礼をし、斎主が祭詞を唱え、楽員による誄歌(しのびの歌)が奏楽されます。
斎主につづき喪主から順に、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」を行います。

遷霊祭(せんれいさい)は「御霊移し(みたまうつし)」ともいい、故人の御霊(みたま)を遺体から仏式の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」に移し留める儀式です。
家中の明かりを消し、暗闇の中行われます。

儀式後、霊璽(れいじ)を祭壇に安置した「仮霊舎(かりのみたまや)」に収めます。
その後部屋の明かりをつけ、一同で仮霊舎の前に着席し、まず斎主が一礼します。
洗米や塩、水などを供えます。これを献饌(けんせん)といいます。

最後に玉串を捧げ、拝礼して終わります。
この儀式によって、故人の霊は家の守護神になります
本来、通夜祭と遷霊祭は別々の儀式ですが、現在は通夜祭として通して行われることが多いようです。

葬場祭(そうじょうさい)

葬場祭(そうじょうさい)は、仏式でいう「葬儀・告別式」にあたるものです
神葬祭で最も重きをおく儀式です。

葬場祭の流れは以下の通りです。

火葬祭 遺体を火葬する前に、火葬場にて行なう儀式です。神職が祭詞を奏上し、遺族が玉串を奉って拝礼します。
埋葬祭 墓地に遺骨を埋葬する儀式です。かつては、火葬場から遺骨を直接墓地へ移して埋葬していましたが、最近は一度自宅へ持ち帰り、忌明けの日である五十日祭で埋葬するケースが増えつつあります。
帰家祭 帰家祭(きかさい)は、火葬・埋葬を終えて自宅へ戻り、葬儀が滞りなく終了したことを霊前に奉告することをいいます。塩・手水で祓い清めて行います。
直会 直会(なおらい)とは、神職や世話役など、葬儀でお世話になった方々を労うため宴を開いてもてなすことです。これにより神式葬儀に関する儀式は終わりとなり、これより後は霊祭として行なわれます。

神棚封じとは?

家族が亡くなった場合、神棚と先祖を祀る御霊舎(みたまや)に亡くなったことを奉告します。
家に神棚があるときは、神棚の扉を閉め白紙(半紙など)を前面に貼り「神棚封じ」をします。
扉がない神棚の場合、前面に白紙を貼り御神体を隠します。

これは、神道では死を「穢れ(けがれ)」としており、その「穢れ(けがれ)」が神棚に入り込まないようにするため、家族以外の人に貼ってもらいます。(穢れは不浄という意味のほか、亡くなってしまったことで遺族の生きる力が衰退していることをさす「気枯れ」、御霊が離れている状態の「気離れ」という意味もあるようです)

神棚封じの期間は仏式でいうと四十九日の忌明けまで、神式では五十日祭までです
忌中の間、お供えや拝礼はしばらく控え、故人のお祀りに専念します。

五十日祭翌日に清祓(きよはらい)を行い、神棚に貼った白紙をはがし、それまで遠慮してきた神棚や祖霊舎のお祀りを再開し、通常に戻ります。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)の仕方

玉串奉奠

通夜祭や葬場祭では、玉串奉奠(たまぐしほうてん)という儀式が行われます
玉串とは、榊(さかき)という神が宿るとされる木の枝に、紙垂(しで)という白い紙片を結びつけたものです。
神式葬儀では、仏式でいう焼香のかわりとして玉串奉奠が行われます

斎主が玉串を霊前に捧げ拝礼したあとは、喪主、遺族、近親者、参列者一同の順に霊前に進み、神官から玉串を受け取って捧げます。
このときの拝礼は二礼二拍手一礼の作法でお参りしますが、音を立てずそっと手を合わせる忍び手にします。

順番がきたら前に進み、遺族へ一礼し斎主にも一礼して玉串を受け取ります。
玉串は右手で上から枝の根元をつまみ、左手で下から葉を支えます。
このとき、左手の葉先の方が高くなるようにします。
玉串案と呼ばれる台の前へ進み、一礼をします。
受け取った形のまま玉串を目の高さまで上げ、根元が手前に来るように右回り(時計回り)に回します。
左手を枝先に移動して、持ち手を変えます。

玉串をさらに右回りに回し、根元が玉串案の方へ向くように静かに置きます。
一歩下がり、二礼します。
音を立てずに二拍手します。
最後に斎主、遺族に一礼をします。

玉串奉奠は、立礼で行われることが多いですが、自宅で葬儀を行う場合は座礼で行うこともあります。
立礼と同じ方法ですが、仏式の作法と同様、祭壇の前に座った後はその都度立ち上がらずにひざをつけたまま、前へ進んだり下がったりします。

手水の儀(ちょうずのぎ)について

手水の儀(ちょうずのぎ、てみずのぎ)とは、通夜祭や納棺の儀式などの祭事に入る前に身のけがれを清めるために行う、神道の大切な儀式のひとつです。
桶の水をひしゃくに汲み、左手、右手の順に水をかけて清めます。
次に左手に水をうけて口に含み、軽くすすいだのち左手をもう一度清めます。
最後に懐紙(懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折りの和紙)で口と手を拭きます。

手水の儀のやり方は地方によって多少の違いがあり、最近では省略されることもあります。

神式葬儀での香典袋の書き方・相場・マナー

香典も表書きなど、神式葬儀の特有のマナーがあります。

神式の香典袋の書き方

表書きは「御神前」「御玉串料」「御榊料」など

神式に使う香典は、表書きは「御神前」「御玉串料」「御榊料」のいずれかです。
市販の不祝儀袋は表書きが印刷されて売っているものも多いので、相手の宗派に合わせて選びましょう。
宗教が分からない場合は「御霊前」を選びます。

白無地の紙を使うのが基本で、蓮の絵柄が印刷されたものは仏式の場合のみに使用されます。
水引は双銀、双白または黒白の結び切りを使います。
名前は水引の下、中央に薄墨でフルネームで書きましょう。ボールペンを使うのはやめましょう。

中袋

中袋の裏には金額と住所、名前をフルネームで書きます。
相手が香典の整理をする際にわかりやすいように、忘れずに書きましょう。

裏側

弔事の際は、上側を下にかぶせるように水引をかけます。慶事の際とは逆なので「喜びは上向き、悲しみは下向き」と覚えるとよいかもしれません。

神式の香典の相場

神式の香典の相場は仏式と変わりません。
以下の金額はあくまで目安です。
故人とのお付き合いの程度や自身の立場、年齢、住んでいる地域によっても大きく変わってきます。

目安

両親の場合 50,000円〜100,000円
兄弟姉妹の場合 30,000円〜50,000円
祖父母の場合 10,000円〜30,000円
おじ、おばの場合 10,000円〜30,000円
その他親戚の場合 10,000円〜20,000円
友人・その家族の場合 5,000円〜10,000円
職場関係の場合 5,000円〜10,000円
勤務先社員の家族の場合 3,000円〜5,000円
取引先関係の場合 5,000円〜10,000円
隣人の場合 3,000円〜5,000円

香典には新札は不向きとされています。
新札は予め準備するものという考えが根付いているので、これは不幸に対して前もって準備をしていたともとれてしまう、という理由からです。
手元に新札しかない場合は、一度折り目をつけてから包みます。

また、汚れがひどいものや、あまりにもよれてしまっているお札を使うのも避けましょう。

あわせて読みたい

神式葬儀のよくある質問

神式葬儀で気をつけることは?
仏教用語を避けることです。『ご冥福』、『供養』などといった言葉は避けましょう。神式では、通夜は「通夜祭」、葬儀は「葬場祭」と呼びます。
神式葬儀の霊祭ってなに?
神式葬儀の霊祭とは、仏教でいう法要のことです。霊祭は、聖域である神社では行いません。自宅かお墓の前、あるいは斎場で行うのが一般的です。
霊祭は、神式葬儀の翌日に翌日祭、亡くなった日から10日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続きます。
五十日祭が仏式でいう忌明けにあたり、法要のように親族、友人、知人を招いて酒食のもてなしをします。
五十日祭以外の霊祭は誰も招きません。
五十日祭の翌日に「清祓いの儀」を行い通常の生活に戻ります。その後は、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭と続いていきます。
霊祭のマナーについてはこちらをご参考ください

まとめ

多くの人が葬儀に関して、すぐに思い浮かべるのは仏式のものです。
仏式葬儀と神式葬儀は全く違います。神道における考え方が、葬儀の形式へと強く影響しています。
だからこそ、「神道」という宗教について体系的に知っていくことが、神式葬儀の理解を深めるのには一番でしょう。

■関連記事
1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (30 投票, 平均: 4.73 / 5)
読み込み中...

記事の制作・編集株式会社よりそう

よりそうは、お葬式やお坊さんのお手配、仏壇・仏具の販売など、お客さまの理想の旅立ちをサポートする会社です。

運営会社についてはこちら

※提供情報の真実性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。特に宗教や地域ごとの習慣によって考え方や対応方法が異なることがございます。

お葬式の準備がまだの方

事前の資料請求などでお葬式費用が最大3万円割引※1

無料相談ダイヤル

相談員がお客さまによりそいサポート

些細と思われることでもお気軽にお電話を

  • 24時間365日対応
  • 通話・相談無料

詳しい資料をお届け

お葬式費用・流れなどの基本を解説

さらに!お葬式読本をプレゼント

無料資料請求するかんたん入力45秒

  • ※1 家族葬で、お申込み前日までに資料請求とあんしん準備シート記入した場合 [会員限定]

はじめてでも安心 お葬式事前準備に役立つサービス