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平安時代、最澄の開いた天台宗。その葬儀の流れとマナー

カテゴリー 宗教

天台宗では顕教と密教の特徴を併せた葬儀が行われます。葬儀作法は阿弥陀経を主体として執り行われるために、他の仏式の葬儀とは大きく異なる式次第になっており、故人が仏の弟子となり仏の国へ行く過程を式中で表現していくことが特徴な葬儀になります。こちらのページでは天台宗での葬儀の流れをご紹介します。

天台宗とは?

天台宗は、比叡山延暦寺を総本山とし、「法華経(※1)」を根本経典とする「大乗仏教(※2)」の宗派の一つです。最澄によって平安時代に日本に伝えられました。

※1「法華経」・・・代表的な大乗仏教の経典で、二十八品の章節で構成されています(「妙法蓮華経」漢訳:鳩摩羅什)。内容的には釈迦が永遠の仏であることなどを説いています。
※2「大乗仏教」・・・自分ひとりの悟りのためだけではなく、多くの人々を仏の救済に導くことを理想とする仏教の一派です。

天台宗の葬儀の特徴

天台宗は顕教と密教の併修が特徴です。この特徴は葬儀にも反映され、法華経及び「阿弥陀経※1」の読経、それに加えて光明真言法による「土砂加持※2」が行なわれます。天台宗では、主に3種類の儀式が営まれます。

1.顕教法要

法華経を読誦して懺悔を行うことです。
日常生活の中で私たちは自分のことだけを考えて、他人との対立を生じさせたリ、差別を行なったり、物事への執着を捨てきれなかったりします。
天台宗ではそれが罪悪とされ、そのような煩悩が私たちの誰にでも備わっている仏性(仏となる性質)を見失わせている要因となっていると説きます。
そこで、その仏性を自覚し磨き出す方法が、読経による懺悔と言われています。

2.例時作法

阿弥陀経を読誦して極楽浄土へ行くことを願うことです。天台宗では、読経による懺悔により、ご先祖の追善供養を営むとともに、自分の心の中に存在する阿弥陀仏を感じ、現世で理想の浄土を実現しようという意味が込められています。

3.密教法要

阿弥陀仏を本尊とし、光明真言を念誦する法要です。天台宗では、種々の印を結び、真言を唱え故人を供養し、極楽浄土に導かれることを祈念するために行なわれます。

※1「阿弥陀経」・・・大乗仏教の経典一つで、聖者たちは極楽往生を願うべきで、極楽往生に行くために念仏を唱えなさいということが内容です。
※2「土砂加持」・・・洗い清めた土砂に向かって光明真言を唱え、仏の加護を願い祈祷することです。

天台宗葬儀の5つの式次第

天台宗の葬儀作法は阿弥陀経を主体として執り行われるために、他の仏式の葬儀とは大きく異なる式次第になっています。
天台宗の教えでは、全ての人間は仏になれるとされています。そのため、葬儀を行うに当たり、まずは「仏の弟子」になるための儀式を行い、その後に仏の弟子として、現世を離れ、仏の国(浄土)へ向かうという形で葬儀が進行されます。
以下では、5つの式次第を説明します。なお、地域によっては式次第が異なる場合や、省略される場合もあります。

1.剃度式

故人の浄土へ向かう前段階として、身なりを整えます。遺体を水と香で清めた後に髪をそります。剃度式は煩悩を除去する儀式として行われ、実際に髪を剃ることはあまり行われません。

2.誦経式

阿弥陀経を唱え、その功徳によって悟りに至る事を祈念します。

3.引導式

光明供(こうみょうく:天台宗の式文)を中心に故人に法語(仏の教えを説いた言葉)を与え、仏の国へ行くことを教え諭します。仏の教えにより、必ず故人が成仏することを旅立ちのはなむけとしていい渡します。

4.行列式

故人が西方の極楽浄土を向いて進んでいく儀式です。

5.三昧式

故人が心が安定した境地に入ることを表現する儀式です。実際には、式主催者および参列者が法華経を唱え三昧(精神集中を深める)になることを目的に行います。

天台宗葬儀の流れ

天台宗の葬儀の流れを説明します。

1.枕経・通夜(参加者は主に遺族です。)

(1)臨終誦経

故人が浄土へ導かれることを祈ることが中心となります。臨終誦経を行い、故人の枕元で阿弥陀経が読まれます。

(2)通夜誦経

通夜では、朝は法華三昧(法華経を呼んで精神を集中させること)が行われ、夕方には例時作法に則り緩やかな抑揚をつけて阿弥陀経を唱えます。

(3)剃度式

通夜に剃度式が行われ、導師(葬儀に際して、故人に引導を渡す僧)により、故人の頭にカミソリが当てられます。実際に髪の毛を剃ることは稀です。
剃度式の流れは以下の通りです。

①導師により「辞親偈(じしんげ)」が唱えられます。
「辞親偈(じしんげ)」は家族との縁を切り出家することを表します。

②「懺悔文(ざんげもん)」を唱えます。
故人の過去の行いを懺悔する意思を表しています。

③「授三帰三竟(じゅさんきさんきょう)」を唱えます。
授戒にあたって三宝(仏・法・僧)に帰依(従う)することを表します。

④故人に戒名が授与されます。

2.葬儀(遺族・会葬者が参加します。)

式次第の組み立て方や地域によっても葬儀の流れは異なります。光明真言による光明供を中心とした葬儀では、以下の作法で構成されています。

導師入場~随法回向

まず導師が入場し、最初に起立して唱える「列讃(れっさん)」を行います。導師着座の後、故人の一切の罪を消滅させ、仏の国へ行くために功徳があるとされる光明真言で家事を行う光明供が営まれ、法要の功徳により無事に成仏することを願う随法回向が唱えられます。

(1)導師入場
(2)列讃(れっさん)
仏の臨終を讃える内容となっています。儀式の始めに唱えられる事が多く、曲は緩やかな旋律で流れます。この列讃を唱えることで会場の静粛を促す効果があります。唱え終わると鐃(にょう:ドラのような打楽器)と鈸(はち:シンバルのような打楽器)が鳴らされます。
(3)光明供修法
阿弥陀如来の来迎を得て、故人を仏とする作法を執り行います。
(4)随法回向
故人の成仏を祈り供養するのために唱えられます。

列讃~奠茶

列讃の後に故人の棺を封じる「鎖龕(さがん)」、棺を送る準備の「起龕(きがん)」、霊前にお湯やお茶を備える「奠湯(てんとう)」「奠茶(てんちゃ)」が行われます。
(5)列讃
(6)鎖龕(さがん)、起龕(きがん)
故人の棺を閉ざし、棺を起こす儀式を行います。
(7)奠湯(てんとう)、奠茶(てんちゃ)
故人に茶湯器を供えます。

引導~下炬

故人の旅立ちの準備が整い、現世といよいよお別れとなります。導師は霊前に進み、「菩薩戒偈」(菩薩としての理想の生き方を指し示す心構えのこと)を唱え、故人を浄土へ送り出す「引導」を行います。その後、下炬(あこ)を行い読経に移ります。その間に遺族・会葬者が焼香をします。
(8)引導
導師が、必ず故人が成仏することを旅立ちのはなむけとして言い渡します。
(9)下炬(あこ)
導師は手に松明または線香を持ち、空中に梵字と円を描きます。そして、故人の徳の高さを讃える下炬文を唱えます。

弔辞拝受~出棺

他の仏式の葬儀と同じく、弔辞や弔電を読み上げます。最後に総回向が行われ葬儀が終了します。
(10)弔辞拝受
(11)弔電拝読
(12)法施
読経を行います。
(13)念仏または光明真言
(14)総回向
回向文を唱え、葬儀を終了します。
(15)導師退場
(16)出棺

天台宗葬儀のお布施

お布施とは、葬儀や法事法要の時に僧侶へ渡す謝礼の事です。戒名料も含めてお布施としてお渡しする場合もあります。

1.お布施の相場

お布施は一概にお渡しする額が定まっていません。およそ15万円~50万円の範囲でお布施を包む事が多いようですが、地域やお寺との関係、宗教宗派により金額にかなりの開きがあります。そのため、直接僧侶にお聞きしても問題はありません。

2.戒名の相場

戒名のランクは、お寺と故人との親交の深さにより決まることになります。お寺の檀家として関係が親密であればあるほど、戒名のお布施も高額になります。
天台宗の戒名の相場は概ね以下の通りです。

 男性  女性

  1. 院居士・院大姉・・・・100万円~
  2. 院信士・院信女・・・・80万円~
  3. 居士 ・大姉 ・・・・50万円~70万円
  4. 信士 ・信女 ・・・・30万円~50万円

3.お布施の渡し方

お布施は直接僧侶に渡します。葬儀式の前に挨拶する際、または葬儀式後にお礼を伝える際に渡しましょう。小さなお盆にお布施をのせたり、「袱紗(ふくさ)※」の上に置いたりして渡します。
※「袱紗(ふくさ)」・・・贈り物の金品などを包むことに使用する方形の布です。

4.お布施の包み方

お布施を包む袋は、「奉書紙」と「白無地の封筒」の2種類に分かれます。

(1)奉書紙に包む場合

奉書紙で包む作法が最も丁寧な形式です。まず、半紙でお札を包み、中包みとします。そして、その中包みを奉書紙(上包み)で包みます。または中袋にお札を入れて、奉書紙で包んでも問題ありません。
上包みは、慶事の上包みの折り方と同様に、上側の折り返しに下側を被せます。

(2)白無地の封筒に包む場合

奉書紙が用意できなければ封筒でも構いません。ただし、白無地の封筒を選びましょう。市販の封筒にはお布施とプリントされている封筒もあります。この場合は、中袋を使用せずに、直接お札を封筒に入れても差し支えありません。

(3)水引は一般的に不要

水引はお布施の場合は不要とされていますが、地域によっては使用する風習があります。その場合は、双銀や白黒の水引等を使用します。

(4)お布施の書き方

お布施を包む場合に、表書きは普通の黒墨で「お布施」記載します。または、何も書かなくてもマナー違反にはあたりません。
そして、中袋の裏面に左側から住所、氏名を、右側または表面の中心に金額を書きます。
その際には金額の頭に「金」と書いて、その下に旧字体を用いた漢数字で額を記入します。例えば、金額が10万円の場合は、「壱拾萬圓」と書きます。

天台宗葬儀の作法・マナー

天台宗の葬儀に参列する場合の作法とマナーについて説明します。

1.天台宗の焼香の作法

焼香とは、仏や故人に対して香を焚いて拝むことを言います。
焼香を線香で行うか、抹香(粉末状の香)で行うかで作法が異なります。

(1)線香の場合

①線香を右手に持ち、ろうそくに近付け火をつけます。手に取る線香の本数は3本です。1本だけでも問題はありません。数珠を持っている場合は左手にかけます。
②線香に火がついたら、左手で軽くあおぐか、線香を軽く振って消します。息を吹きかけて消すのはマナー違反です。
③そっと線香を香炉に立て、手を合わせます。3本の線香に火をつけた場合、向かって手前に1本、奥に2本と丁寧に1本ずつ立てます。その際に、他の方があげた線香とぶつからないように離して立てましょう。

(2)抹香の場合

①焼香台の右前にある抹香を、右手の親指と人差し指及び中指の三本の指でつまみます。数珠を持っている場合は左手にかけます。
②抹香を指でつまみ、やや頭をたれるようにしながら目を閉じて額の高さまで掲げます。
③その後、つまんだ抹香を香炉の中に静かに落とします。この動作を1~3回繰り返します。

2.数珠について

天台宗では平珠と呼ばれる薄い円形の珠が連なる数珠を使用します。左手で持ち、手を合わせる場合は親指と人差し指にかけ、房を下に垂らすようにします。

参列される方が天台宗とは異なる宗派の方の場合、数珠を持参するかどうか悩まれる所ですが、数珠は葬儀に必須ではありません。
どうしても持参したい方は故人の宗派の数珠に合わせるのではなく、あくまでご自身の宗派の数珠を持参しましょう。
この様な場合でも、特にマナー違反ではありません。

3.散華について

天台宗の葬儀では、導師が棺に紙を撒くことがあります。これは散華という儀式で、仏が来迎した時に、仏を讃えるために人々や如来が花びらを降らしたと言う出来事が由来となっています。昔は蓮の花が使用されていましたが、現在では蓮の形をした色紙を撒きます。

まとめ

天台宗の葬儀の作法は、他の仏式の葬儀と比べて非常に特徴的な部分があります。しかし、この宗派の葬儀も他の宗派の葬儀と同じく、故人を悼み、故人を真心で供養し、極楽浄土へ送りたいと言う、遺族・参列者の思いは変わるものではありません。

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