【通夜式での挨拶文例】喪主なら知っておきたい葬儀マナー
- 2023年02月07日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
はじめて喪主を務めるときは、分からないことが多いものです。
お通夜での喪主挨拶は、どのように述べればよいのでしょうか。
通夜に会葬してくださる方々は、故人と近しい、もしくは親しい関係の方が多い分、遺族代表として喪主は気を遣うことも多いのではないでしょうか?
喪主や喪主代理は、通夜や葬儀・告別式で弔問者への「挨拶」が必要になります。
この記事では、通夜、通夜ぶるまい、葬儀・告別式での一般的な挨拶の文例、ポイントを解説します。
文例をテンプレートとしてもお使い頂けますので、必要な際に参考にしてみてください。
目次
通夜での一般的な喪主の挨拶文例
通夜での弔問客への挨拶は、読経、焼香などがすべて終わり、僧侶が控室にさがったあと、喪主が行うのが一般的です。ただし、喪主が挨拶できないような状態である場合は、他の遺族が代行してもかまいません。
スタンダードな喪主挨拶の基本は下記の流れで構成します。
- 弔問へのお礼
- 故人のエピソード
- 通夜ぶるまいの案内
- 葬儀・告別式の案内
- お礼
通夜の挨拶でも一般的な例文について、構成とともに紹介します。
皆様のお志に、亡き〇(父、母など)も喜んでいることと存じます。
②〇(父、母など)は、は去る〇月〇日、〇時〇分に入院先の病院で息を引き取りました。
享年〇〇歳でした。
これまで大きな病気もせず、定年後は〇(父、母など)とのんびり過ごしていた〇でしたが、丁度〇年前の夏に肝臓がんと診断され、入院生活がはじまりました。
余命、半年と医師から宣言されたにもかかわらず、医師も驚くほどの生命力で、家族との貴重な時間を残してくれました。
家族一同、心おきなく〇と別れることができ、〇には心から感謝しております。
③心ばかりではありますが、別室に酒肴の用意をいたしました。どうぞ、今しばらくお付き合いいただき、故人の在りし日の思い出話などを聞かせていただければ幸いです。
④なお、明日の葬儀・告別式は明日◯◯時から当斎場にて執り行います。ご都合がよろしければ、ご参集いただければと存じます。
⑤本日は誠に、本当にありがとうございました。
手短に済ませる場合の挨拶の文例1
また、故人の生前はひとかたならぬお世話になりました。
亡き〇〇になり替わりお礼申し上げます。
なお、明日の葬儀は〇〇時より、〇〇斎場にて執り行いますので、よろしくお願いいたします。
あちらの部屋に簡単な食事の用意などをさせていただきました。
故人の供養になりますので、どうぞお召し上がりください。
手短に済ませる場合の挨拶の文例2
皆様方にお越しいただいたこと、故人も喜んでいることと思います。
個別に粗餐(そさん)を用意いたしました。
故人を偲びながらお召し上がりください。
通夜ぶるまいを行わない場合の挨拶文例
また、皆様の存命中からの厚情に深く感謝しております。
個人に代わりまして、心よりお礼申し上げます。
本来ならば、ここでお食事を用意し、故人を偲ぶひとときを過ごしていただくところですが、都合により準備ができておりません。
不行き届きで、大変申し訳ありません。何卒ご了承ください。
どうぞ、お気をつけてお帰りください。
通夜ぶるまいでの一般的な喪主挨拶
通夜ぶるまいとは、供養、お清め、弔問への感謝の意味を兼ねて、通夜後に催す簡単な食事会のことです。
通夜ぶるまい終了時、故人の話などを交えつつ、弔問への感謝を述べ、挨拶を締める前に葬儀・告別式の日程の知らせと、弔問者の帰途に対しての気遣いの一言を入れます。
まずは、通夜ぶるまいを締める際の喪主挨拶の基本的な構成をご紹介します。
- 弔問へのお礼
- 通夜ぶるまい終了の案内
- 葬儀・告別式の案内
- 結びの言葉
上記の文例は一般的なものとなりますので、地域や宗教・宗派により異なる場合があります。
事前に文章を葬儀社の方やご親族(お身内)の方に見て頂くと良いでしょう。
通夜の挨拶でのマナーとして大切なことは、弔問者(会葬者)の皆様に感謝の気持ちを伝えることです。
文例1.一般的な挨拶
こんなに心のこもったお通夜をしていただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます。
故人に代わり、厚くお礼申し上げます。
②故人を偲ぶ話はつきませんが、夜も更けて参りました。本日はこのあたりでお開きとさせていただきたく存じます。
③なお、葬儀・告別式は明日◯◯時から〇〇斎場にて執り行います。ご都合がよろしければ、ご参集いただければと存じます。
④本日は誠にありがとうございました。
文例2.厚い誼に感謝した挨拶
皆様から故人を偲ぶ話を伺いまして、生前、個人が皆様とどれだけ親しくお付き合いさせていただいたか、あらためて知ることができました。
皆様には心からお礼申し上げます。
もっとゆっくりお話しを伺いたいところではございますが、あまり遅い時間まで引き留めてしまうのもいけませんので、本日は勝手ながら、このあたりで閉じさせていただきます。
なお、葬儀・告別式は明日◯◯時から〇〇斎場にて執り行います。
ご都合がよろしければ、ご参集いただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。
文例3.弔問者への帰路を気遣う挨拶
行き届かない点もあったと存じますが、皆様のおかげをもちまして、滞りなく通夜を終了させていただくことができました。
遠方よりお運びいただいた方も大勢いらっしゃり、皆様の温かいお志に、故人もさぞ喜んでいることと存じます。
よも更けて参りました。ごゆっくりしていただきたいところですが、明日は故人の葬儀・告別式が控えております。
誠に勝手ではございますが、本日はこのへんでお開きにさせていただきたいと存じます。
玄関前が雨で滑りやすくなっておりますので、どうぞお気をつけてお帰りくださいませ。(悪天候の場合)
なお、明日の葬儀・告別式は〇〇時より予定しております。
お時間が許すようでしたら、ご会葬いただければ幸いです。
親族などが喪主代理として挨拶するときの例文
喪主代理が挨拶する場合、冒頭に「親族を代表しまして」などの、自分の立場を述べる言葉を入れます。
本日は突然のことにもかかわらず、〇〇の通夜にご参列くださいまして、ありがとうございました。
こんなにたくさんの人においでいただき、故人もさぞ喜んでいると存じます。
また、喪主もさぞ心強く感じていることでしょう。故人と喪主に代わりまして厚くお礼申し上げます。
お話はつきませんが、夜も更け、随分と冷え込んでまいりました。
遠方よりお越しいただいた方もいらっしゃると存じますので、この辺でお開きにさせていただきたいと思います。
なお、明日は〇〇時より、〇〇にて葬儀・告別式を執り行います。
よろしければ、ご参列いただきますと幸いです。
本日はありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。
世話役代表が喪主代理として挨拶するときの例文
世話役代表が喪主代理として挨拶するときは、世話役から~とはじめに一言述べるとともに、遺族に代わりまして、喪主に代わりまして、などの言葉を添える。
本日はお忙しい中、たくさんの方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまをもちまして、滞りなく通夜を終えさせていただくことができました。遺族に代わりまして、心よりお礼申し上げます。
故人を偲ぶ話はつきませんが、夜も更けてまいりましてので、このあたりでお開きとさせていただきたいと存じます。
なお、葬儀は明日〇〇時より〇〇にて執り行います。ご都合がよろしければ、ぜひご会葬ください。
本日は誠にありがとうございました。
【合わせて読みたい】
準備は?挨拶は?通夜・葬儀における受付のマナー
家族葬で喪主の挨拶の文例
家族葬出の報告の文例
故人◯◯はかねてより病気療養中でございましたが、願いもむなしく帰らぬ人となってしまいました。
生前は皆様からひとかたならぬご厚情を賜り、故人も感謝しておりました。本当にありがとうございました。
なお、葬儀・告別式は故人の遺言により、家族のみで執り行う予定でございます。また、香典やお供物もご辞退させて頂いております。何とぞ、ご理解頂けますよう、よろしくお願い致します。
本日、ささやかではございますが、あちらの方にお食事の席を準備しております。精進落としとして、召し上がりながら、故人との思い出話などお聞かせ頂ければと存じます。
本日は本当にありがとうございました。
親戚が挨拶・スピーチする場合の弔辞・文例
本日は、叔父◯◯(名前)の通夜に駆けつけて下さり誠にありがとうございます。私は甥の◯◯◯◯(名前)と申します。
叔父とは長年に渡り、住まいを同じくしておりましたが、昨年、病に倒れ、病院で治療を続けて参りました。お正月には、こちらで過ごせるまでに回復しておりましたが、昨日、容態が急変し、帰らぬ人となってしまいました。
生前、皆様から頂きましたご厚誼には、大変感謝しておりました。おかげさまで皆様にこうして見守られて、故人も喜んでいることと思います。
本日、ささやかではございますが別室にて粗茶を準備しております。故人との思い出などお聞かせ頂ければと存じます。 なお、明日の葬儀・告別式は〇〇時から行います。何とぞ、よろしくお願い致します。
本日は、叔父○○のために本当にありがとうございました。
会社の同僚・上司・部下が挨拶・スピーチする場合の弔辞・文例
私は、故人◯◯君が勤務しておりました株式会社◯◯◯◯で課長をしております◯◯◯◯と申します。
本日は、お忙しいなか、このようにたくさんの方々に通夜に参列頂き、心より御礼申し上げます。
私と◯◯君とは、◯◯君が入社以来◯年、経理の仕事を通し、公私共に親しくさせて頂いておりました。そんな◯◯君が勤務中に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまい、私も大変驚くと共に悲しみを隠せません。
◯◯君は社内ではまとめ役として、時にはムードメーカーとして、みんなの中心にいる存在でした。
大きな志を持っており、これからの活躍を大いに期待しておりました。これからという時でしたので無念でなりません。
◯◯君も無念のことと思いますが、◯◯君の志を引き継ぎ、社員一丸となっていく所存でございます。
最後になりましたが、今後ともご遺族の方々への変わらぬご指導何とぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、誠にありがとうございました。故人に代わり、お礼申し上げます。
葬儀・告別式での挨拶
もともと、葬儀への会葬は故人に親しい人が行う宗教要素の強い葬式で、告別式は、多くの人に故人との最後のお別れをしてもらうための場でした。
また、以前までは葬儀と告別式は別の日に執り行うのが一般的でした。しかし、近年では、同じ日に続けて執り行うことが多くなり、挨拶も告別式の後に一回という形式が主流となっています。
【合わせて読みたい】
通夜の流れ | 一般的な葬儀の場合
葬儀・告別式での挨拶は、通夜と同様に、僧侶が退場した後に喪主が挨拶しますが、遺族代表として、または故人の代理として、参列者に感謝の気持ちを伝えることを第一に考えましょう。
一般的な告別式の挨拶の文例
本日はお暑いなか(お寒いなか)、〇〇(父和夫、母和子など)の葬儀ならびに告別式にご参列くださいましてありがとうございます。おかげさまをもちまして、滞りなく式を済ませることができ、こうして出棺の運びとなりました。
〇(父、母など)は去る〇月〇日、〇時〇分に入院先の病院で息を引き取りました。享年〇〇歳でした。
厳格な〇でしたが、〇〇のときの笑顔は本当に優しいものでした。
まだまだ長生きをしてほしかったと悔やまれもしますが、家族みんなで最後を看取ることができたのが、せめてもの慰めでございます。
〇の存命中、お世話になった皆様、深く感謝いたします。
また、〇の入院中にさまざまなご支援をいただきました皆様には、この場をお借りいたしまして厚くお礼申し上げます。
まとめ
喪主として最初の挨拶となるのが通夜での弔辞です。
通夜と葬儀(葬式)、告別式での挨拶は同じ内容になってしまってもいいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、どちらか片方にしか参列できない方もいらっしゃいますので、感謝の言葉は重なっても大丈夫です。
ちなみに、通夜は葬儀や告別式と異なり、一般的に友引であっても執り行うことができますので、友引を避ける必要はありません。通夜での挨拶の目的(ポイント)は、故人に代わって、弔問客の方々に弔問して下さった感謝の気持ちや頂戴したねぎらいの言葉への感謝を伝えることです。
もし、自分なりの言葉が見つからない場合は、上記の例文を参考に、◯◯の部分を適切な名前もしくは言葉に置き換えて、□の部分は数字を入れて使ってみてください。
また、弔辞のタイミングとしては、準備をしたお茶もしくは食事の席に弔問客の方々をご案内する時となります。
葬儀社にお願いをしている場合は、決まった流れがありますので、葬儀社の方からお声掛けがあります。挨拶(弔辞)というと、暗記して、間違えずにしなければいけないものだと思われるかもしれませんが、メモを見ながら挨拶をすることは決して失礼にはなりません。逆に、忌み言葉や重ね言葉を使ってしまうことの方が失礼にあたります。
また、家族葬を選ばれた場合は葬儀社の方々と家族のみでの葬儀となり、僧侶による葬儀への参列や出棺のお見送りをして頂くことができません。家族葬の場合は、その旨をお伝えしましょう。
通夜式での挨拶に関するよくある質問
お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
日頃から人前で話すことが慣れている人であっても、大切な人を亡くしたばかりで日常とは異なる状態に置かれている喪主という立場では、言葉が出てこないという人は珍しくありません。定型文で簡単に済ませるのもOKです。自分の思いを語るのもOKです。人前にたてる状況でなければ別の人が代わりに挨拶をしても良いでしょう。