夜伽見舞いとはどんなもの?金額や品物の相場と贈り方マナー
- 2023年02月03日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
夜伽見舞いという言葉をご存知でしょうか。これは現在の千葉市周辺で行われている葬儀の風習です。
古くからこの地域で行われており、故人をしのぶために通夜の際に行われている儀式のひとつとして知られています。
このように地域によっては葬儀の方法が異なるケースが見られます。参列する前にマナーを把握し、ご遺族、ご親族にとって不愉快な思いをさせないように心がける必要があります。
故人に失礼がないように正しい方法で葬儀に参加すること、それが故人への手向けともなるのです。
夜伽見舞いの意味とは
夜伽見舞いとは、千葉県や徳島県の一部などで実際に行われている風習です。 そもそも夜伽とは、故人を偲ぶために近親者が夜通し付き添うことをいい、死者と添い寝をして一晩過ごしたり、ろうそくや線香の火を絶やさないように寝ずの番をするなどの行為が行われます。 死者と一夜を共にした場合、7日間の忌みがかかるとして、外出を避け忌み籠りをしていたために、他家で調理された料理を遺族が食べる慣習もあります。
時代とともに近親者による忌み籠りから関係者による弔問の場となり、「夜伽見舞い」といわれるようになったそう。 夜伽見舞いには軽食や飲み物を持参することもありますが、現代ではそこでお金を渡すこともあります。
同じように夜伽見舞いが行われている土地柄であっても、細かい部分は異なる場合があります。 あくまで遺族へのいたわりの気持ちを表すものと考え、それぞれの土地にあわせた対応が好ましいでしょう。
夜伽見舞いの金額や品物の相場
夜伽見舞いでは、昔は食べ物や飲み物が差し入れの主流でした。しかし近頃ではお葬式に参加するために遠路はるばるやってくる人や、どうしても抜けられない事情があって顔を出してお参りしたあと、すぐに退出しなければならない人などさまざまなケースが出てきています。
しかも食べ物の場合、腐りやすく保存しにくい、もしくは食べきれないまま捨てられてしまうというデメリットもあります。
そのため近年では現金を夜伽見舞いとして渡すケースが増えています。
場所によって異なりますが、おおよそ代金にすると2千円~3千円程度が多い傾向にあります。これは「お饅頭の代金」程度にするのが良いとされているためです。
大切なことは「香典とは別のものの意味で出す」という点です。
あくまでこれは飲食をともにするために使うお金であり、意味合いが異なるものです。
受付で渡す場合には、香典と間違われないように「夜伽見舞いです」と一言付け加えるようにしましょう。
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夜伽見舞いを現金での相場は1000円~3000円ですが、実際に渡す際にはどのようにするべきでしょうか。 特に香典袋の書き方などは、うっかり間違いをしてしまうと失礼なことだと受け取られることがあります。 場所によって異なるなど、大変な部分もありますが、お亡くなりになった方のため、失礼がないようにふるまうことを心がけるべきです。
香典袋には「夜伽見舞い」と記入します。
水引の色は白と黒の結び切りのを使用します。
自分の名前もきちんと書き入れてください。夫婦の場合は代表者か連名で書きましょう。 同じ苗字の人がいるとわかりにくくなりますので、フルネームで記載します。
中包みには表、または裏に包んだ金額を記入します。 ここでは難しい大字といわれる漢数字を使用しますが、近年は算用数字で記載できる欄が設けられていることもあります。 裏側には自分の名前と住所を記入しておきます。
お菓子を差し入れする際には、のしのついていない掛け紙をつけてもらいます。そして、「夜伽見舞い」と記入してもらいます。
中包みには表、または裏に包んだ金額を記入します。ここでは難しい漢数字を使うものとされていますので気をつけるべきです。裏側には自分の名前と住所を記入しておきます。
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地域によって差があるので注意
この夜伽見舞いですが、場所によってさまざまな違いがあります。最初に「夜伽見舞い」のお金の入れ方ひとつにもその地方の差があります。
正しい入れ方はお札の表が裏側にくるように入れることになっています。そして新札にするか、旧札にするかでも異なる場合があります。
不明な場合は斎場やお寺などで聞いてみるのも手段のひとつです。
もしくは祭儀を司る人の中でも、最も年長の方に伺うという方法があります。失礼にならないように聞いてみましょう。
「夜伽見舞い」の風習は、主に西日本で行われていることが多いです。
例外として、東日本であれば千葉の都市部とその周辺地域、さらに北海道の一部でも行われているケースもあります。
通夜のときに集まるということに変わりはないですが、現金を渡すことや食べ物をふるまう、一晩中起きて番をするなどには、住んでいる地方によって違う部分があります。
違っている場合でも、できればお葬式を執り行っている方々の方法にあわせるのがしきたりと考えましょう。
まとめ
お香典などは聞いたことがあっても「夜伽見舞い」は知らなかったという方は多いのではないでしょうか。
大事な人がお亡くなりになったときだからこそ、心からのお悔やみの気持ちをささげるべきです。
そのためにもその地方や場所ごとの礼儀を知り、正しく手順を踏んで最期のお別れをしましょう。
その気持ちが、なくなった方への一番の供養であり、喜びとなります。今は事前にしきたりなどをインターネットで調べることも可能です。十分に活用し恥ずかしくないように参加しましょう。
お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
死者のそばに近親者が夜通し付き添うことを夜伽といいますが、葬儀の後に交代で村の地域の人が泊まり込みをすることを夜伽という地域もあります。福島県の一部の地域では、病人の看護をヨトギというところもあります。