遺言書の検認とは?手続の流れと検認を行う意味

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遺言書を見つけた相続人や、遺言者が亡くなったことを知った遺言書の保管者は、遅滞なく遺言者の作成した遺言書を家庭裁判所に提出し、その「検認」を請求する必要があります。また、封印のある遺言書ならば、家庭裁判所で相続人等が立会って開封しなければなりません。
この検認は、遺言を執行する際に大切な手続きとなります。今回は、検認の手続きとその方法等について説明します。

遺言書の検認とは?

検認とは、遺言者の死亡が判明したあと、家庭裁判所で遺言書の偽造や変造を防止するために内容を記録する手続きです。
この手続きは、相続人に対し遺言の存在とその内容を知らせることのほか、遺言書の形状や加除訂正(一部訂正のことを指します。)の状態、遺言書を作成した日付、遺言者の署名等、遺言書の内容を明確にすることが目的です。そのため、家庭裁判所自らが遺言書の有効・無効を判断するわけではありません。

遺言書の検認の手続き・流れ

遺言書の検認の手続きは、遺言書だけではなくいろいろな書類を集めなければなりません。できるだけ家庭裁判所へ申立てる前に全ての書類を集めることをお勧めします。ただし、申立前にどうしても入手が不可能な書類がある場合、申立の後に追加提出することも認められています。
こちらでは、検認のための書類の収集から、検認が完了し検認済証明書の発行までの流れを説明します。

[1]:書類の収集

[申立てに必要な書類:共通]

●家事審判申立書

遺言書の検認を行うための申立書です。用紙には申立人および遺言者の本籍・住所・氏名・申立の趣旨および理由等を記載します。用紙は家庭裁判所で取得できます。申立ての当日に家庭裁判所で書いても構いません。

●当事者目録

関係する相続人の本籍・住所・氏名・生年月日を記載します。こちらも用紙は家庭裁判所で取得できます。

● 遺言者の出生時から死亡時までの戸籍謄本

遺言者の人生の全てを確認できる戸籍謄本(戸籍等の全部事項証明書とも呼ばれます。)を収集します。遺言者の本籍地の市区町村で取得することができます。
遺言者の戸籍が確認できるものであれば、改製原戸籍謄本(法改正により戸籍の作り直しが行われる前の古い戸籍)を取得しても良いですし、除籍謄本(死亡等が原因で在籍している人が誰もいない状態になった戸籍)を取得しても構いません。

●相続人全員の戸籍謄本

遺言者の遺産を相続する方全員の戸籍謄本が必要です。各相続人の本籍地の市区町村で取得することができます。

[申立てに必要な書類:遺言者の子が亡くなっていたら]

遺言者より前に遺言者の子及びその代襲者(つまり、遺言者からみれば孫にあたります。)で、亡くなってしまった方がいる場合は、子及びその代襲者の出生時から死亡時までの戸籍謄本(改製原戸籍謄本または除籍謄本)を集める必要があります。

[申立てに必要な書類:遺言者の夫または妻および遺言者の直系尊属が相続する場合]

遺言者に直系卑属(子や孫)がいなかった時に相続人となる方々です。配偶者がいれば当然相続人としての地位を取得しますが、直系卑属がいなかった場合は、生存している遺言者の父母または祖父母である直系尊属の方が相続人となります。
直系尊属の方で亡くなった方がいる場合は、その死亡記載のある戸籍謄本や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本を準備します。ただし、相続人と同じ代及び下の代の直系尊属の戸籍謄本等も取得することになります。以下では事例をあげてわかりやすく説明します。

◎事例1
遺言者(被相続人)→死亡
配偶者(遺言者の夫または妻)→生存
遺言者の父→生存
遺言者の母→死亡

この事例では、遺言者と相続人になる配偶者・遺言者の父の必要書類に加え、遺言者の母の死亡記載のある戸籍謄本(戸籍等の全部事項証明書)や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本を収集します。

◎事例2
遺言者(被相続人)→死亡
配偶者(遺言者の夫または妻)→生存
遺言者の父母→死亡
遺言者の祖父→死亡
遺言者の祖母→生存

この事例では、遺言者と相続人になる配偶者・遺言者の祖母の必要書類に加え、遺言者の父母と遺言者の祖父の死亡記載のある戸籍謄本(戸籍等の全部事項証明書)や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本を収集します。

[上記に当てはまらない場合]

後述するケースでは遺言者の家族構成によって次のような書類を集める必要があります。

・遺言者の父母の出生から死亡記載がある全ての戸籍謄本や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本
・遺言者の直系尊属の死亡記載がある戸籍謄本や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本
・兄弟姉妹が亡くなっている方がいる場合、遺言者の兄弟姉妹の出生から死亡記載がある全ての戸籍謄本や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本
・代襲者である甥・姪で亡くなっている方がいる場合、甥または姪の死亡記載のある戸籍謄本や必要に応じ、改製原戸籍謄本、除籍謄本

〇相続人が不存在の場合

相続人が不存在とは、相続人が全員明らかでない場合等に、他に誰か相続人がいないか捜すことです。
遺言者と生計を同じくしていた内縁者等が家庭裁判所に申立て、相続人を探している旨を官報・新聞へ掲載します。その後、誰も相続人と名乗り出なければ、相続人の不存在が確定し、内縁者等は検認を申立てることになります。
なお、相続人がいることは間違いないけれども、その所在がわからないというケースは相続人の不存在に該当しません。

〇相続人が配偶者のみの場合

遺言者の家族が配偶者以外、全員亡くなっていることを証明する必要があります。そのためには前述した配偶者だけとはいえ、遺言者と配偶者自身の戸籍謄本等のみを取得すればよいわけではありません。

〇相続人が配偶者と第三順位者の場合

第三順位者とは、遺言者の兄弟姉妹やその代襲者(甥・姪)が生存している場合です。彼らも配偶者と共に相続人となります。

[2]:遺言書の検認の申立

前述した必要書類を用意したら、これらの書類を持参し家庭裁判所へ申立を行います。ここで注意しなければいけないは、申立人の住所地の家庭裁判所ではなく、「遺言者の最後の住所地の家庭裁判所」に提出することです。

[3]:遺言書の検認期日の通知

家庭裁判所で申し立てた内容と、提出書類に問題がなければ、申立の日から1週間~1ヶ月程度で「検認期日通知書」が送付されます。また、家庭裁判所より検認期日の電話連絡もあります。通知では検認に立ち会う際に準備する物(遺言書・印鑑その他)が指示されます。

[4]:家庭裁判所での検認実施

家庭裁判所での検認の実施に、申立人は必ず立ち会うことになります。ただし、他の相続人の場合、立ち会うかどうかは相続人各自が決定します。欠席しても構いません。
検認は申立人等の立ち会いの下、裁判所書記官が遺言書を開封します。裁判官からも遺言書の内容は質問されるので、正直に返答していきましょう。

[5]:検認完了~検認済証明書の取得

検認が支障なく終われば、申立人等は家庭裁判所から検認済証明書を取得することができます。検認済証明書があることで遺言書の効力を証明できるようになります。検認が完了したらすぐに証明書の申請をしましょう。検認済証明書は1部150円です。

[6]:検認済通知

検認に立ち会わなかった相続人の方々には、家庭裁判所より検認済証明書が送付されることになります。この通知で検認の完了を相続人全員が周知することになります。いよいよ遺言が執行されることになります。

遺言書の検認に期間や期限はあるの?

遺言書を見つけた場合、民法では「○○日以内に検認手続をすること」という手続き期間の規定がありません。ただ、「遅滞なく」検認手続をしなければならいこととされています。この遅滞なくとは、「できるだけ急いで検認手続をしましょう。」と言う意味です。
また、明確に「○年経ったら検認手続できない。」という期限も定められていません。仮に遺言者が亡くなってから10年以上を経て遺言書が発見され、検認手続きを行っても罰則はありませんし、家庭裁判所から検認を拒否されるということもありません。

遺言書の検認は絶対に必要なの?

検認は、必要書類の収集や家庭裁判所での立ち会い、いろいろと面倒な手続き過程を経て行われることになります。しかし、検認には遺言書の確認やその効力を証明し、遺言者の遺志を執行するための大切な事前準備としての意味があります。

検認しないとどうなる?

遺言書が見つかっても家庭裁判所へ検認手続を行わず、遺言内容を執行した場合は5万円以下の罰金を支払うことになります。
また、検認をしていない遺言書では、銀行等の金融機関での手続き、不動産登記の手続きが行えなくなり、遺産分割を円滑に進めることが難しくなります。
遺言者が亡くなったことを金融機関が知ると、遺言者の口座を凍結します。この金融資産を遺産分割するためには、遺言書と検認済証明書等を金融機関に提出する必要があります。
遺言者が所有する不動産を相続人へ相続登記する場合にも、遺言書と検認済証明書等は必要となります。

遺言書の検認しなくともよい場合とは?

遺言者が自ら作成する自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は、遺言書の検認が必要です。ただし、公正証書遺言は検認の必要がありません。この公正証書遺言とは、公証役場の公証人が遺言内容を確認し、遺言書の原本も公証役場で保管される遺言のことです。相続人等による破棄や偽造・変造の心配がないため家庭裁判所の検認は不要となります。

遺言書の検認に代理人を立てられる?委任状は?

遺言書の検認の手続きや立ち会いを行う機会は、一般の方にとって人生でそう何度もあるわけではありません。
慣れない作業となるため必要書類の提出が思うように集められないことや、何とか書類を家庭裁判所へ提出したとしても、検認の際に裁判官へ説明することに不安を感じてしまうかもしれません。
そのため、事前に弁護士等の専門家へ代理人を依頼し、申立人の代わりに書類の収集を行ってもらったり、検認のために家庭裁判所へ出頭する場合に代理人を同席させ、代わりに裁判官に説明してもらったりすることも可能です。
代理人を立てる場合には、委任状が必要です。弁護士・司法書士等と委任契約を締結する場合には、委任状の記載を求められることがあります。指示に従って委任状を作成しましょう。

遺言書の検認にかかる費用

検認の申立自体に必要となる費用は遺言書1通で収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手のみです。ただし、提出する戸籍謄本等は遺言者・各相続人の本籍地の市区町村窓口から、有料で取得することになります。
必要書類である戸籍謄本は1通450円、改製原戸籍謄本は1通750円、除籍謄本1通750円となります。
以下では、弁護士・司法書士へ代理人を依頼した場合の費用等を説明します。

遺言書の検認の代理を弁護士にお願いした場合の報酬・費用

現在は、弁護士報酬について報酬の自由化により報酬規程が撤廃されております。ただし、家庭裁判所での検認に立ち会える代理人は弁護士以外認められていないため、報酬は司法書士よりも割高になる傾向があります。
報酬については個別に弁護士事務所で確認しましょう。報酬の目安としては10万円前後を見込んでおきましょう。

遺言書の検認の代理を司法書士にお願いした場合の報酬・費用

司法書士の場合は、代理人として申立書の作成、戸籍謄本等の収集が可能ですが、家庭裁判所での検認に立ち会うことはできません。そのため、報酬は弁護士よりも安くなる傾向があります。
司法書士報酬も「検認費用○○万円」と固定されているわけではありませんが、報酬の目安としては2万円~5万円を見込んでおきましょう。

遺言書の検認の申立書の書式は?

家庭裁判所の窓口でも取得できますが、家庭裁判所で取得することが可能な他、裁判所のホームページ「裁判所COURTS IN JAPAN」からも取得することができます。
申立書および当事者目録用紙への記載例もホームページで明示されています。こちらを参考にして記載しましょう。

遺言が検認されても遺産分割に納得いかない時

遺言書が検認されると、家庭裁判所から検認済証明書を受け取ることができます。これで遺言を執行する段階へと移行するわけですが、遺言書の内容について相続人に不満があっても無理に従わなければならないわけではありません。
以下では、相続人が遺言書の内容に不満がある場合の対応について説明します。

遺産分割協議という方法もある

遺言書の検認が終わっても、相続人は遺言書の内容に拘束されるわけではありません。ある相続人が遺言内容に不満を持つ場合、他の相続人もその不満を認めて、再度、遺産を相続人全員で相談して分けることができます。これを「遺産分割協議」と呼びます。
ただし、相続人全員が納得して分けた場合でも、口約束では後で問題が起こる可能性があります。そのため、協議の内容を書面に残す「遺産分割協議書」を作成するのが一般的です。

遺産分割調停や審判をすることも・・・・

遺産分割協議でも話がまとまらず、遺産分割が進まなくなってしまった場合には、遺産分割調停や審判で更に話し合いをしていくことになります。
以下ではそれぞれの話し合いの方法について説明していきます。

遺産分割調停とは

遺産分割協議が不調に終わった場合は、「遺産分割調停」という方法があります。もめている相続人たちの話し合いの場が家庭裁判所に移りますが、中立の立場から問題の解決を目指す「調停委員」を交えて調停が行われることになります。
この調停委員は、家庭裁判所の職員というわけでは無く、弁護士、医師、大学教授、会社員、宗教家、カウンセラー等の職業を持つ多彩な方々が選ばれています。つまり、多角的な視点から遺産分割の問題を捉え、解決のための調整を図っていくことになります。
この遺産分割調停で話がまとまったなら、調停成立となり相続人は調停調書を取得します。

遺産分割審判とは

遺産分割調停でも話し合いがまとまらない場合は、「遺産分割審判」に移行します。遺産分割審判は、調停のように話し合いを続けると言う形で進めていくのではなく、争っている当事者(相続人)が主張・立証をするという形で進んでいきます。
そして、審判の審理では、調停委員の報告や、証拠資料、相続人の主張および立証を比較検討して、裁判官が争いのあった遺産分割の決定を行います。決定が下った後は相続人に審判書謄本が発行されます。
なお、審判の途中であっても、もめている相続人間で分割内容に納得し和解することが認められています。

まとめ

遺言書の検認は、遺言書を発見した場合に必ず行わなければいけませんが、家庭裁判所自らが遺言書の有効・無効を判断するわけではありません。
そのため、相続人が遺言内容へ不満がある場合には、後日、相続人間で話し合いを行い遺産分割を改めて決め直すことも可能です。

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